最近続けざまにリリースされた次期フライトシミュレータのPrepar3D(P3D) v4とDovetailのFlight Sim World(FSW)を購入してしまいました。
まだアドオンが対応できていなかったりするので、試しに使ってみたという程度なのですが、使ってみた感想などを書いてみたいと思います。
まずはP3D v4から紹介します。
P3Dはv4でいよいよ64bitアプリケーションとなり、メモリの制限から解放されます。
いよいよP3Dの本領発揮となりそうなバージョンなので、注目度は高いのではないでしょうか?
インストールやアクティベーションの方法は今までと特に変わりありませんので、いつもの通りにインストール・アクティベーションを行って起動しますが、起動するととりあえずクラッシュします。
2017/6/28 追記
Hotfix1 (4.0.28.21686)でこのバグは修正されたようです。
どうやら日本語ロケールだとクラッシュしてしまうようです。
システムロケールを英語に変更すると起動することができます。
V2のときフライトを開始すると海の上でから始まる問題は、結局最後まで修正されなかったので、この問題がアップデートで解消されるかは微妙かも、などと思ったりしていたのですが、shigeさんのサイトに解決方法が掲載されていました。
“Prepar3D.cfg”ファイルに以下の2行をを追記するか、一度英語ロケールで起動して、Show At Startupのチェックを外してシナリオ作成画面をスキップさせると日本語ロケールのまま起動できるようです。
[USERINTERFACE]
SHOW_SCENARIO_WINDOW=0
ただし、この方法で日本語ロケールで起動した場合、v2と同様に海の上からフライトが始まるので、クラッシュする前にポーズするか、一度クラッシュ無視に設定するなりしてから、高度を上げるなどしてシナリオを保存し、デフォルトのシナリオに設定する必要があります。
shigeさんのサイトには、一度起動してしまえば、シナリオ作成画面を表示させても問題ないと書かれていますが、私が試したところシナリオ作成画面は表示できるものの、空港を選択したりいろいろ操作するとやはりクラッシュしてしまいました。
(32ビット)の表示がなくなり、64bitで動作していることが確認できます。
メモリの使用量は2.5GB前後といったところです。
FPSが100以上出ていて、パフォーマンスが改善されていることがうかがえます。
さすがにすべて最高設定にするとFPSは低くなりますが、ある程度設定を上げても高いフレームレートを維持できる印象です。
こちらの画像は少し設定を上げてみたところですが、これだけ木が表示されていてもFPS60程度を維持しています。
しかもこの木、従来のテクスチャの張り合わせではなく、3Dの木なんですよね。
GPU Loadはほぼ100%となっており、しっかりとGPUのパワーを使っていることがうかがえます。
グラフィックボードの強化で、よりパフォーマンスを改善できる余地がありそうです。
ただし、シチュエーションを変えると、このように30%ほどまでGPU Loadが落ちました。
GPUでの処理はv3と同様に木のAutogenが中心なのかもしれません。
グラフィック面はパッと見ではそれほど変わっていないような気もしますが、雨と雪のパーティクルが変更されていたり、ダイナミックライティングという、光源のシミュレーションが追加されていたりするようです。
小松空港のシーナリーを追加してみました。
シーナリーの追加はv3以前と同じで、シーナリーライブラリから追加できます。
GSXはすでにP3D v4対応バージョンが公開されているのですが、GSXをインストールすると、本家SODEのHPではまだ公開されていないP3D v4対応のSODE(V1.5.0.0)がインストールされるので、SODEのJetwayもきちんと表示されています。
SODEオブジェクトの動作も含め、特に問題はなさそうです。
夜も特に問題ないかと思いきや、エプロン照明のエフェクトが少々おかしなことになっています。
傾きの角度の基準が変わったんでしょうか?
まだ、完全には検証できていませんが、小松以外のシーナリーも試してみたところ、エフェクト以外はv3と同等の表示になっていて、特に問題はさそうです。
機体アドオンなどはそのままでは正常に動作しないものが多いと思われますが、多くのメーカーがP3D v4対応を表明していて、v3用のものをすでに購入している場合は無料でアップデートできるものが多いようなので、アマアドオンのことは心配しなくてよさそうです。
GSXは上にも書いたようにすでにv4対応版が公開されていたりします。
続いてFSWについてです。
FSWは前バージョンにあたるFlight Schoolから64bit化されており、当然FSWも64bitです。
Steamのフォルダにインストールされるため、インストールフォルダはProgram Files (x86)配下ですが、きちんと64bitで動作します。
このとおり(32ビット)の表記はありません。
メモリの使用量はP3D v4に比べると控えめですが、アドオンを使用していない状態で4GBを超えていますので、32bitではOOMになるレベルです。
P3Dと比べると、色合いが明るく鮮やかな印象があります。
最初これを見たときは、P3Dと比べるとFSXからあまり変わり映えしない印象があって物足りなく感じたりしたのですが、しばらく使ってみるとこれはこれで悪くないような気もします。
この辺は好みによるところも大きいかと思います。
HDRが効いていたり、それなりにFSXとは違うかと思います。
Autogenはある程度近いところのみ表示することでフレームレートを稼いでいるのではないかと思われ、このシチュエーションでもFPS25~30程度という感じで、それほど落ち込みはありません。
これについては好印象です。
P3Dを見ていると、随分質素に感じてしまいます。
見る角度によってはもう少し表面の光の反射などが再現されたりもするんですけど、これについてはP3Dのほうが上かな、と思います。
P3Dにはない機能として、FSWでは雨が降っているとガラスに雨粒が付きます。
前情報によると確か、ワイパーの効果なども再現されていたと思うのですが、この機体のワイパースイッチがどこにあるかわからず、まだ確認できていません。。
私が一番いまいちだと感じたのが、メニューです。
FSWのメニュー項目はこれだけしかありません。
メニューから、ほかの空港へ移動したり、時刻や気象を変更することができないので、このような条件を変更する場合は一度フライトを終了してから再度、フライトを開始する必要があります。
こちらも相変わらず1コアのみ常に100%占有するようです。
ただ、シチュエーションによっては全てののコアを90%以上使うこともあるようなので、CPUのマルチコア使用については幾分改善されているような気もします。
GPU Loadは30%程度と低いです。
FSWはまだアーリーアクセス版ということなので、これから改善される可能性があるのですが、初心者やライトユーザーはFSW、ヘビーユーザーはP3Dといった棲み分けになりそうな気がしています。
アドオンについては、FSWへの対応を表明しているメーカーもありますが、PMDGがまだどうなるかわからないなど、少々不透明な部分があります。
アドオンが充実してこそのフライトシムという部分がありますので、何とかしてほしいところです。
FSWでもシーナリーを試してみました。
FSWはシーナリーライブラリがありませんので、シーナリーをインストールする場合はScenery.cfgを直接編集する必要があります。
これについてはゼファーさんの記事に書かれていますので参考にしてみてください。
すぐに気づく点として、誘導路の照明に白い板が表示されます。
あとは、SODEが動作していないので、Jetwayが表示されなかったりしますが、その他は特に大きな問題は見当たりません。
シーナリーについてはかなり互換性が保たれているように思います。
上の画像、妙に鮮やかな緑の部分があるのですが、一体何なんでしょうか?
そんなものを配置した覚えはないのですが。。
富山については、P3Dと同様に土手が表示されないようです。
土手が表示されない現象は、もしかしたらFSWでは発生しないんじゃないか、とちょっと期待していたのですが、期待外れとなったようです。
まぁ、P3D向けに公開している修正ファイルを使えば、一応使えるようになるかと思います。
あと、上の画像でボーディングブリッジのガラスがなくなっています。
これについては、表示されていないのではなく、半透明オブジェクトの透明度の表現が変わっていて、ほぼ完全な透明となって見えなくなっているだけだと思われます。
実際、透明度が低いものは半透明のオブジェクトも表示されています。
これについてはテクスチャのアルファ値を調整するか、マテリアルの設定でAlpha Test Levelの値あたりを調整すれば解決できるかと思いますが、全てを確認しながら調整するのはそれなりに手間がかかりそうです。
上の画像、夕日に照らされた感じがなかなかいいですねぇ。
FSWでの問題点は、誘導路照明の白い板と、半透明オブジェクトのみで、そのほかは特に問題はなさそうです。
誘導路照明のようなものについては何らかの手段が考えられているのではないかと思ったりするので、これさえ何とかなればFSWへの対応は可能なのですが、現在のところ当サイトのシーナリーのFSW対応は未定です。
そろそろFSX・P3D・FSWのすべてを同じファイルで対応させるのは難しくなってきているのではないかと思いますし、3つのプラットフォーム全てで動作を確認して、それぞれにカスタマイズするというのは手間がかかるかと思います。
もちろん共通で行ける部分も多いので、今後様子を見ながら決めていきたいと思っています。
FSXから移行が進めば、FSXは考慮しなくてもよくなりそうですが、まだ当分はFSXも切り捨てることは難しそうなんですよね。
P3D v4については、エフェクトだけなので、何とか対応させたいのですが、やってみないと何とも言えません。
まぁ、対応できなかった場合はエフェクトファイルを抜いて使ってもらえばいいかな、と思っています。